電力と精神力

真夏並みの暑〜い日に夏到来!!を感じたと思ったら、4月並の肌寒い日に逆戻りして、なかなか天候の読めない日々。
当研究所では今夏も11% (2010年比) の節電目標が掲げられました。
東電は電力足りてるって発表してるのに何故〜〜〜!!!???
どうやら「去年の皆さんの頑張りを基に契約電力量を下げました。電力不足じゃなくても、しっかり節電(節約)しましょうね☆」という事務方の策略らしい。
世界経済の厳しい折、研究費捻出のためとあらば職場の労働環境の悪化には耐えましょうという日本人研究者の精神力は美しいと思いますが…「去年と同じ対処法で良いの?
去年、大事だったことは「東電管内の総電力消費量を規定の数値以下に収めること」。そのためには、瞬間的に消費電力を減らすため“電化製品のスイッチを切る”ことが最も重要かつ有効でした。
一方、今年のような「一日、一ヶ月の総使用電力量を減らすこと」に対して、スイッチオフ作戦は有効なのか?
I don't think so.
去年、電力に相当気を遣った日本の皆さんにとっては周知の事実だと思いますが、「電化製品のスイッチオン・オフには連続運転以上に電力が必要」です。(製品の性能にもよる)
極端な例で言うと「昼間の11時〜14時に連続してエアコンを付けっぱなしにしておくのと、電力量を気にしながら電源を頻繁に付けたり切ったりするのでは、後者の方が電気代は高いかも知れませんよ〜」ということ。頻繁にオンオフしなくても、エアコンを切っていた間に熱せられた空気を再び冷やすのには、当然それなりに電力が必要ですし…エアコンオフの昼間は生産性が悪くて残業が増えるという事態は容易に想定できるはず。
電気料金だけの問題なら2、3時間の我慢は計算上は無駄なのではと思えて仕方ありません。
さらに、研究所内の問題に絞ると、常に大量の電力を消費する質量分析計を止めると、周辺機器も含め、消費電力量削減には大きく寄与できます。が、この種の機械は一度止めてしまうと再起動に莫大な電力と労働力を要し、運が悪いと買い替えとなります。研究所全体の支出としてはどちらが大きくなるのかなぁ。
くどくど愚痴のような皮肉を書き連ねましたが、訴えたいのは「非常事態だった去年と平常時(経済的には苦しい)の今年とでは節電の目的が違う」ということ。どうせやるなら効率的に節電しましょうよ☆


最後になりましたが、天井パネルの落下の恐怖と工事の騒音に耐えながらも、天井裏の断熱材張替えには感謝しております。